ヲタク学生読書変歴

日本文学生によるアドバンテージを全く持たないダメヲタ読書日記
<< March 2024 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
# スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | - | | category: - |
# とりあえず行きましょう
評価:
海堂 尊
角川グループパブリッシング
¥ 500
(2008-11-22)
コメント:“「別にどうもならないわよ。メールはメールだもの。」”

評価:
海堂 尊
角川グループパブリッシング
¥ 500
(2008-11-22)
コメント:“生まれおちるまで、僕たちに意識は無い”

JUGEMテーマ:小説全般

 


ブクオフで上下ともに300円。
兄貴に貸す本を探していたらいつの間にか読み返してました。懐かしい。
私の部屋にあるミステリが片っ端から根こそぎ兄貴に持っていかれているんですが、
社会人なんだから自分で買えよ!!
あと、返す時適当な場所に置くなよ!!

バチスタシリーズのスピンオフというかなんというか。
面白かったです。はい。
まぁ、田口先生萌えの私には少し物足りないかなっていうのは普通に冗談です。おいといてください。

シリーズ的な意味で言うなら、
白鳥がぎゃふんとやられているのは珍しいのでちょっと面白かった。
本編だと割と強いよね彼。
あと、氷姫の意外性。ドジっ子……だと……?


そんなもんです。はい。


高齢化社会になって、
人間の死の形というのは本当に重要な問題になってますよね。
医療技術が伸びるもんだから寿命も延びる。
悪いことじゃありませんが、
それに伴う意識と制度の変化が全く追い付いていない気がします。
尊厳死とか授業で少しやりましたけど、
正直、全然足りていない。
もっと学校単位で教育からそういう問題を考えさせるべきではないかと。
何の問題も起きないウルトラハッピーこれで完璧!
な答えがあるはずもないんです。喜ばしくも残念なことに。
だったら考えるしかないじゃない。
絶対多数の最大幸福なんて、否定的な意味合いでしか聞いたことないですけどね。
でもやっぱりそれも悪いことではないんだよなぁ。


医療系ミステリ、というのは
そこまで珍しい物ではない…多くもないとは思いますが。
それがこんだけフューチャリングされているのは、
社会情勢の丁度、みたいな所を捉えているからかと。
臓器移植しかり。終末期医療然り。

私は根っからの文系なので、
そういう医療方面にはとんと疎いのですが、
そりゃもう、新聞やらニュースやらの偏り知識オンリーなんですが。
これを書いていらっしゃるのが実際の医師の方だということで、
より、リアリティを増しているというのは確かなのだと思います。
ここに書かれている問題は実際に起こっている問題なんだろうなぁと読者に思わせる。
だからこそ真剣に読んでしまう。そんな感じです。

ただ、これを読んだことによって、
おおう、日本の医療というのはここまで腐っているのか!!
とか、そういう風に思いこむのもいかんせん危険だと思います。
そんなこと普通にねぇよwwって思われるかも知れませんが、
そう思いたくなるくらいのリアリティとは随所に漂っているんです。
この本をきっかけに、日本の医療問題について考えるのは素晴らしいと思いますが、
この本を基準に考えるのはいかがなものかと。
1冊の知識は1冊の知識です。しかもミステリ。
偏った考えにはなりたくないものです。
とはいえど、じゃあどの本を読んで勉強すればいいのか。
書いてある本によって主張は違うし、
だいたいのものは批判目当てだったり説得目当てだったりで、
あてになるものは結局自分で考えなくちゃいかんと。
やれはてさて。
現場を知らない人間がどんなに見たっって付け焼刃の知ったかぶりです。
かといって、だからと言って、知ろうとする姿勢を失うべからず。
とりあえず、誰か、お勧めの医学書というか、
現代医療についての本を教えてくれないかなぁ。
あの、トーシロでも判るレベルの難易度で。


自分で探せって?わかてるよ……^^^^




“「見知らぬ人と死ぬのはイヤだけど、知っている人たちに囲まれて眠るように死ねたら、素敵だと思わない?」”

| comments(2) | trackbacks(0) | 16:38 | category: 現代作家:か行 |
# 服を着たまま泳げません
評価:
江國 香織
集英社
¥ 480
(2005-02-18)
コメント:“それから二人組だったかつてのあたしと、かつてのマークを深く悼んだ。深く深く悼んだ。”

 江國さんの作品は基本的に好きなので、ふと思い立ったときに、古本屋でふっと買います。
勝手な印象ですが、そういうのが似合う。
私はこの人の本を新品で買おうとは思わない。
ていうか、だいたいの本を新品で買おうとはしないんですけどね!!そりゃね!!財政的にね!!
新品で買った方が作者さんに還元されるし、それだけの価値がある内容だと判ってはいるんですが。
本当に、思い立ったときに、気合も気概もなく買うのがいいんです。
本当に、ごく個人的な印象です。


そんな感じで。ブクオフで105円で購入。本日読了。ごちそうさまでした。
第15回山本周五郎賞受賞作。


いかんせん、自身の恋愛経験が少ないせいで、
恋愛物は苦手な、というか、気が乗らないことが多いんですが、
この方の作品はそういうことが無いんですよね。不思議です。
まぁ、感情移入度合いが多少下がってしまうのはやむを得ないんですが。
それは全面的に私の問題です。


様々な女性の恋愛模様を描いた短編集。
ですね。簡単に言ってしまえば。
連作ではないので、格話ごとのつながりは基本的にありません。独立型。

恋愛小説なんですけど、
恋だとか、愛だとか、そういう言葉じゃないんですよ読後感が。
まぁ、本の題名から察せられるとおり、幸せウキドキの内容ではないので、
そりゃ当り前といえば当り前ですけれども。

恋とか愛を構成する要素に、
幸せとか、ときめきとか、うきうきとかドキドキわくわく、
期待とか願望とか喜びだとか笑いだとか、
夢みたいな甘い要素があるんだとしたら、
それと同じかそれ以上に、
多分、寂しいがあるんです。
それで、寂しさばかりを切り取って集めたから、この本は凄く、なんていうか、
うん、寂しいから寂しい。
そんな感じ。
だけどそれは、愛から生まれた寂しいだから、
ただ寂しいだけじゃなくて、根底に誰かがいて、自分がいて、
だから余計に寂しい。
いやはや。人間ままならぬものですね。


恋は盲目という言葉はよく耳にしますし、
それは確かにそうなんでしょうけど、ていうか、そういう一面は確かにあると思うんですけど、
それは、敢えて目を逸らしているっていうのもまた然りだと思います。
その、目を逸らしている自分に、気がつかなければいい。
気がつかなければ幸せです。愚かかもしれませんが。
目を逸らしている自分に気がついて自覚してしまうというのは
凄く寂しい。さっきから寂しいしか言ってないですよ私大丈夫か。
自覚するっていうことは、気がつくっていうことは、理解するっていうことは、
恋愛だけじゃなくて、ほとんどすべての物事に対して、
寂しさを伴うものだと思います。
知らんふりをする自分にすら目を閉じることができない。
だけど、後戻りもできない。
凄く緩やかで単調な孤独です。
それが自分だけじゃなくて、ほとんどすべての人が持っているものなんだなと、
それがまた孤独を煽る煽る。
さて、孤独でしかつながれないって言っていたのは誰の作品だったかな。三浦しをん?

まぁ、そんなことをつらつらと思いました。
激しさなんかひとかけらも無くて、
燃え残った残滓で必死に体をあっためてるかんじ。
ぬくもりを得ることはこんなにも難しい。


安全じゃないけど適切で、
もしくは、
適切だけど安全じゃない。
そんな場所あるんでしょうか。謎ですね。

 


“ここにきて、たいして時間はたっていないだろう。その短さを、知りたくはなかった。”

| comments(0) | trackbacks(0) | 23:27 | category: 現代作家:あ行 |
# ほほほう
評価:
東野 圭吾
講談社
¥ 660
(2001-01-17)
コメント:“ああ、そうですか。パン屋のおばさんからはそう見えたんですか。大人の目ってのはあてにならないもんですね。”

JUGEMテーマ:小説全般
 

兄貴から貰いました。見てみたらブックオフで350円。
本日読了。ごちそうさまでした。



東野圭吾は好きです。
そのことは最初に断っておきますが、
彼の作品はエンターテインメントではあっても、文学ではないなあと
割と頻繁に思います。
『手紙』あたりは、まぁ、うーん、少し文学っぽいですが。
久々に読み返してみるかな。今度。


ご多分に洩れず例のごとくいつもの通りに、
ストーリープロットは本当に巧みです。
伏線が綺麗に張られて綺麗に隠されて、
綺麗に回収されていくのは、読んでいて爽快ですね。
美しいものは見ていて楽しいというのは、何も映像に限った話ではありません。
ただ、なんというか、いかんせん、だからこそ、
読み終わった後に、心の中に残るものがほとんどないんです。
だって綺麗に回収されちゃったんだもん。よ。

なんていうかな。面白いんですよ。本当に。
途中で飽きることなく、最後までぐわあっと持っていく、
それだけの勢いもあるし、それに見合った文章だと思います。
ただ、最後までいって、ああそういうことか、ですっきりして、本棚にしまっておしまい、みたいな。
推理小説は、まぁ謎・ミステリに重きが置かれるのは仕方ないといえば仕方ないんですが。

たとえば、この話は、「いじめ」がひとつのキーワードとしてあげられると思いますが、
そのいじめの描写自体は、細かくはありませんが的確だと思います。
ただ、だからといって、読み終わった後、いじめについて想いを馳せるか、と言われれば、

「いや、別に?」

みたいな。
勿論、キーワードなだけであって、イジメをテーマに置いているわけではないですから、
それはそれで当たり前なんですけど。

読書っていうのは、読んだ分だけ、
その文章の価値観を自分の体に取り入れていくものだと思うんですが、
その点で言えば、取り入れるものは何もない、っていう。
私はコメント欄と日記の最後で、毎回本の中の文章を引用して持ってくるんですが、
つまりそれが、私の気にいった言葉な訳ですが、
まぁ、今回、迷ったよね。
正直、みつからなかったよね。
仕方ないから、印象に残ったシーンでとってきたよね。
もう一回読めば新たにちゃんと見つかるかなぁ。


言い方は悪いけれど、ただ面白いだけの文章っていう感じなのかな。
逆に言えば、それだけ面白いってことです。
いや、本当、お話の作り方と、それを実現させる文章力は本当に凄いです。
なんか批判ばっかしてますが、
そうは言っても私、この本開いてからほとんどぶっつづけで最後まで読んだしね。
完全にはまってるよね。


推理小説は内容について詳しく触れようとすると
ただのネタばれになっちゃうしなぁ……。


物語の主要登場人物に作家がいるんですが、
彼の言葉の中に、東野さんの作家としての本音が含まれているのかなぁ、
とか思うと、読んでいてまた別の、違った面白さがある。


………かもしれない、けど、どうなんでしょう。
私は割と楽しめました。




“「いえ、とくに問題というわけではありません。ところでそのシャンペンはおいしかったですか」
「ええ、それはもう」”(本文より)





| comments(0) | trackbacks(0) | 23:11 | category: 現代作家:は行 |
# 砂糖すらはけない
評価:
山田 詠美
新潮社
¥ 420
(1994-10)
コメント:“「もっと、真面目に恋愛しろよ。幸福に息が詰まりそうなくらい、男に愛されてみろよ。ついでに、男の息も詰まらせてやれ!こんちくしょう」”

JUGEMテーマ:恋愛小説


学科の友達が山田さんの別の作品を読んでいて、
(『色彩の息子』だったか?)
そこに通りがかった別の友達が、

「私ラビット病しか読んでないや。」
「ああ、あれ」
「誰だっけ男の人の名前」
「ロバちゃんだよ!」
「そうだ、ロバちゃんだ!」



……どなた?^^^^^^^
そんなに有名な作品なのか。名前すら知らなかった。なんたることだ。
っていうか、ロバちゃん誰。
ロバちゃん誰。


そんなわけで、その日のうちにブックオフに行きまして、
無事、105円で購入。本日読了。ごちそうさまでした。



まぁ、まさか、読むまではこういう話だとは思ってもいなかったよね!!
物凄い勢いでいちゃこらつかれたよね!!

それが全然不快じゃなかった(リア充爆発しろ的な意味で)のは、
ゆりちゃんとロバートの性格がなせる技なんだろうなぁ。
しかもそれが、なんていうか、
あまりにも美しくて嫉妬する気になれないというよりは


こんなんになる位だったら誰かとラブラブにならなくていいや


と思わせるレベルの愛は盲目っぷり。
正直、小説の中の人物だと判っているのに、ドン引きするという異例の事態。
え?なんなの?砂糖とかグラニュー糖とか吐いてる場合じゃないぞ。
不思議な薬でも飲まされたのか?
いいえ、ただの通常運転です。


ロバートはともかく、ゆりちゃんなんて現実にいたら絶対に嫌なやつなのに、
あんだけロバートのこと愛してる愛してる愛してる言われちゃあ、



くそう、かわいいじゃないか



としかなりません。
あの薄い本1冊の中に、何回愛っていう単語、でてきたんだろうなぁ。
数える気にもならない程度、とだけ言わせていただきましょう。


全体的に読みやすかったし面白かったです。
不快になる作品は無いし、まぁ、そうですね、あえて言うなら、
クリスマス前に恋人いない人が読んだら凹むかもしれませんね、ってくらいです。
いや、積極的に恋人をつくろうという気持ちになるかもしれない。
むしろ、恋人がいる人の方が危険かもしれません。
自分たちはここまで愛しあえているのだろうか、と不安になるかも。
だが、正直言って、現実でゆりちゃんとロバートのようなことをやっていたら、
犯罪  すれすれ  ^^^^^^^^^^^^^
それは勿論、治安維持法にひっかかるって意味さ。

もうちょっと真面目な感想を言うと、
私はこの二人がかわいくて、始終にやにやしてました。
……………。
いや、このお話自体がさぁ、ユーモアの中にそっと真意をいれるタイプの話だったからさぁ、
正直、感想もさぁ、そんなうまく書けないんだよね。
ふざけた方向にしか行きません。
そうだね、プロテインだね。


あえて難をつけるなら、一番最初の話の
GASだけは、ゆりちゃんのイメージが大分違くて、
その後の修正に少々手間取ったんですが、
というか、イメージのギャップに少々戸惑ったんですが、
あれは、最初の話の初出がこの本じゃないってことかな?
どうも、1話と2話の間に時間の経過を感じたのだけれど。


正直、ちょいちょい出てくるロバートの友達が良い味出し過ぎてます。好き!
ちなみに、上記台詞はその友人のうちの一人が叫んだ言葉です。
いいこというじゃないか。


ではでは。

“「私、ずっと自分のこと病気だと思ってたけど、これって愛なのよ。愛って病気に似てるのよ。愛する人がいないっていう不便を私の警報機は知らせていたわけよ」”(本文より)



| comments(0) | trackbacks(0) | 22:53 | category: 現代作家:や行 |
# 別に何かを意識する必要は無いとは思いますが
評価:
小川 洋子
筑摩書房
¥ 714
(2007-02)
コメント:“言葉は常に遅れてやってくる”

JUGEMテーマ:新書

 
大学の図書館から。本日読了。ごちそうさまでした。


講演の内容を本に書きおろしたとのことで。
内容として、博士の愛した数式が何度も登場していたのはそこらへんにも事情があるのかな。
(小川さんは『博士の愛した数式』の作者です。念のため)
多分一番有名だし、聴衆もそこの所の話が面白く聞けるだろうという配慮かなぁ。
しかしいかんせん、1冊の本にまとめられてしまうと、いささかくどい。
でも仕方ないよね!こればっかはね!!



多分、本が好きな人ならそれなりに面白く共感できるのでは。
その上で、物語を書こう、作家になろうと思っている人にはエールにもなるかもしれない。
少なくともよくある作家エッセイのように、
「作家というのはなろうと思うものではない」
的な内容は皆無でした。
むしろ推奨。書いてみませんか的な。
子供向けの教育本ならともかく、
ある程度の年齢層の所でこういう主張をするのは珍しいんじゃないかなぁ。
と、思ったけれど、よく見たら講演先は創作系の大学とかでした。そりゃね。応援するよね。


雰囲気としては全体的にあったかかったです。ほわほわ。
ああ、この人は本が好きなんだなあと、素直に思える感じですね。
なので、読んでて終始穏やかな気持ちでした。
ただ、あくまでも講演を文章化したものなので、
大きな感動とか、どんでん返しのストーリィ性とかはない。当たり前か!^^^^^^^^
本が好きな人なら一度は考えたことがあるような内容でしたし、
目新しさはあまりないかなぁ。
ただ、こういう言葉では表現するのか、とは思います。
あ、あと、例えに出してくる話題が秀逸。
思わず片っ端から調べて読みたくなりました。


とりあえず、息抜きに読むには最適な部類だと思います。
薄いし。字も大きめだし。厳しい論旨じゃないし。
少なくとも、フリーソフトダウンロードしすぎて、
なかなか動かなくなったパソコンの起動を待ちながら読むには最高でした。
ゆっくり読んでも2時間はかからないんじゃないかな。
とりあえず、作業用BGM(120分)は1周しませんでした。
勿論、途中何度か、BGMを聞くことが作業になっていたのは言うまでも無い。



で、こっからは凄く個人的に。


最後の章の共感具合が半端無かった!!
共感というか、話題が!!話題が!!

『ファーブル昆虫記』が幼少期の愛読書だったとか、
『トムは真夜中の庭で』とか。
あと、本じゃないですが、『フランシーヌの場合』とかね!!名曲だよね!!!
とりあえず、トムはもう一度読む必要をビシバシ感じました。
やばい、思い出しただけで感動してきた。


あとはあれですね。
一番上に書きだしましたけど、言葉は常に遅れてやってくるっていうの。
あれは凄く共感というか、「ですよね!」っていう。
それは常々感じていたんですが、
現実が小説より奇なら、
文字はいつまでたっても現実にはおっつけないんです。
小説は過去と向き合うものだ、という言葉は確かにその意味で酷く正しい。
私は、一人称小説の絶対的な矛盾はそこにあると思うんですが、どうなんでしょうね。
だって、生きているうえで、
「彼は箸を机に置いた」
とか、
「私はムートンのコートをくたびれたソファに投げた」
とか、いちいち思わないよね。
それは実感として感じてるし、判ってることではあるけれど、
言葉にするより前に、言葉にしなくても理解してそのまま放置しませんか。
そりゃ、そうしなきゃ一人称小説なんて成り立ちませんけど、
言葉が常に遅れてくるっていうのは、つまりそういうことなんじゃないかなと思います。
結局、文学の無力さも価値もそこに集約するのかな。

と、そこまでは言い過ぎだと思います^^^^^^^^^^^^^



ま、そんな感じですね。そんなにあとはひかないなぁ。


ではでは。

“小説と言うのは言葉で書いてあるのに、言葉にできない感動を与えなければいけない不思議なものです。”(本文より)







| comments(0) | trackbacks(0) | 22:08 | category: ちくまプリマー新書 |
# いかなる時も女は強い
評価:
永井 路子
文藝春秋
---
(1995-11)
コメント:“「ほんとうに油断のならない世の中ですこと」”

評価:
永井 路子
文藝春秋
---
(1995-11)
コメント:“「お腹の中にいる間はいっしょですが、生まれた時がもう別れの始まりなんです。」”

JUGEMテーマ:歴史小説



 これは最近の歴史小説の中ではかなりのヒット。
………まぁ、10年前を最近って言っていいのかは微妙だと思うのですけどね。私もね。
1995年発行でした。………。この頃何読んでたっけなぁ……。
なんか、古代エジプトの謎とか、そんなだった気がします。
発掘における心得とか、費用の工面とか盗賊被害とか、
確実に子供に与える本としてはチョイスがおかしい……。


すっごく関係ない話でした。サーセン!!
とりあえず、時代ものにハマっていたときに買った物。
双方ともにブクオフで105円。再読終了。ごちそうさまでした。

いや、これは本当に、よい!!
やっぱり女性視点と言うのは大きいかもしれません。
女性の好みを判ってるよね。
断然読みやすいよね。

ええと、戦国時代の武将、毛利元就
の、妻、おかたをメインにした小説ですね。
おかたの一人称というわけではないんですが、
文章全体から漂ってくる柔らかさは女性の感性だと思います。
とても読みやすいので、女性にはおすすめ。
これ、確か昔、大河ドラマの原作にもなっていた気がします。
1998とか……よくわからないですけど、そこら。

元就の周りに、頼りになる家来いなさすぎてちょっと切なくなりました。
なんていうんでしょう、腹心の部下、とでも言えばいいのか。
いや、実際はいたんだと思いますけど物語に登場しないのなんのって。
逆に、いる方が珍しいのか……。
確かに、武将自体はフューチャリングされても、
その家来ってよっぽどじゃないと出てきませんよね。
なんだか、独りでいろんな人の裏切りとかをかわしつつ、っていうのが
現代社会に生きる自分からすると悲しい……。
信頼できる人は誰もいなかったんですか!!っていう。
あ、その信頼ポジションにおかたが入ることによって、
物語は成り立ってるのね!!判るよ!!でもさぁ!!
っていう。感じ。

元就が、それはもう見事に、全ての出来事をくぐりぬけていってくれるので、
読んでる方からすると安心感です。
お前千里眼か。

歴史小説、特に戦国時代の物は、
まぁ、主人無敵、というか、主人公べた褒めになることが多い
私は
それが
好きです

誰が好き好んでけなされまくる物語を読みたいと……
いや、そういうのも悪かないんだけどね……。
一体全体この作者は、
何故こんなにこの人物をけなすのか、
余程嫌いなのか、嫌いならなんでわざわざ書くのか、
まさかこれはけなし愛?ツンデレーション?
とか、本編に関係ない部分で悩む羽目になります。
凄く…どうでもいいですね………

 

最近、歴女やらなんやらで、
メディアでも取り上げられるようになってきましたが、
あれ、大半はただの腐女子だろ!!
確実にBA*ARAだろ!!
っていうのが、あの、すいません、目に見えてて、
そこに居たことがある私からしてみれば、なんか、
過去の傷をほじくり返されているようで、
居たたまれなくて見ていられない……。

あ、私無双からですサーセン!!

雑賀孫市好きでした。あと夏候惇。
BASARAなら小十郎。
判りやすいですね、凄く。

っていうか、いまだに抜け出せてないだろっていうね。
すみませんね。
大丈夫、元就=オクラが通じる人物ですよ私は。

泣きそう。

 

あの、途中から話が完全脇道でしたが、
恋愛小説のカテゴリにいれてもいいんじゃないかと
そう思う程度には、それくらいには、これ、
かなり切ないです。
切ないというか、まぁ、幸せな切なさではあるんですが、
最後の20ページが怒涛。私泣いた。泣きそうじゃなくて。




“「そうだとも、霧は霽れている」”

 

 

| comments(0) | trackbacks(0) | 16:48 | category: 歴史小説:な行 |
# 愛する人を失うことは幸福だ
評価:
片山 恭一
小学館
¥ 1,470
(2001-03)
コメント:“使い古しのコンドームやなんかが目に触れないように。”

JUGEMテーマ:恋愛小説

 



なんて有名すぎる作品。
原作読まずに映画だけっていう作品は多いけれど、これは原作読んでる人も多いのでは。
父親がシンガポールに居る時に買って、
私は遊びに行ったときに読んだのを覚えています。
本の後ろを見たらシンガポールドルの値札が張り付けてあったので記憶違いではなさそう。よかったよかった。
しっかし、はんぱなく割高やなぁ。


父親がもう読まないからと言うので引き取っていたのですが、
私も多分もう読まないと思ったので最後にもう一度。本日読了。ごちそうさまでした。

 


ぜんっぜん好きじゃないです。
もう、日本中の人を敵に回すの覚悟で言います。
ぜんっぜん好きじゃないです。
本当に、ごく、個人的な感想。

いかんせん出会い方が悪かった。
というか、なんというか。

父の単身赴任の始まりは私が小学生の時で、
確か私がこれを読んだのは小六の時だったんですが。
ていうかシンガポールに遊びに行ってまで部屋で本読んでるんだから
私の引きこもりっぷりも年季が入っている。


話が逸れました。


女子校育ちで、いかんせん男女間の恋愛に疎かったというのが一つ。
それから、あまりにもこの恋愛が青春すぎたというのがもう一つ。

別に、もう12歳だったわけですから、
キスは勿論、セックスやら何やらは普通に知っていました。
ていうか、ある程度の文学作品読めばそんなんざくざくです。
その程度で照れる感性は持っていなかった、と言わせていただこう。
や、喪失済みだった、のほうが正しい!!

ただ、それは、本当に、自分ひとりに限った話であって、
何が言いたいかと言うと、家族で見ている映画とかで、
そういういやらシーンに入ると気まずく思うくらいの感性は持ってました。
そして、父親が私にまだそういうもの(=男女間のあれこれ)を
知ってほしくないと思っていたのも判っていました。

で、
その状況で、
この本を読んでしまったので、

男女間の恋愛の機微が判らないから感情移入できないし、
コンドームとか裸とかの表現が露骨だから、
判らないふりをすることもできず、親に対する意味のない罪悪感を抱える羽目になるし、
父親もこれを読んだのかと思うと余計に自分が読んだ内容がばれているわけで気まずいし、


つまり、物語の出来とは関係のない次元で私はもうこの本嫌になってしまったのですね。
なんて、とばっちり。
でも、当時の自分からしてみれば切実でした。
少なくとも親の前ではそういうものの意味がわからない純粋な子を演じていたかったわけです。
こう書くとけなげやな、自分。なんでや。

今こうして読み返してみれば、
最初についたあの最悪な印象と色眼鏡を必死に外して読めば、
それなりに面白いです。
でもやっぱり好きにはなれなかったから単純に好みじゃないんでしょう。

最終章は好きです。それは本当に評価していい。
最後が良い物語というのはそれだけで救われる。


いやしかし、家族で見ている時のいやらシーンは、いまだにあまり好きではない。
この気まずさは私だけが感じているものなのか、いやはや。


とりあえず最終章だよ最終章。
これがなかったら私はもっと速攻で売っていた

でも、最終章にはそれだけの価値がある。
少なくとも私の中では!


“「(前略)坊ちゃん、雨ってのは、一つ一つ粒になって降ってるんでしょうかねぇ、それとも長い糸みたいに降ってるんですかねって。」”

 

| comments(0) | trackbacks(0) | 16:27 | category: 現代作家:か行 |
# 言葉に困る
評価:
清涼院 流水
講談社
---
(1997-01)
コメント:“十九の口元に、驚愕の色が閃いた☆”

JUGEMテーマ:小説全般


私が一番最初に読んだ清涼院流水。
値札が剥がしてあるためいくらだったかは判らないけれど確実にブックオフ。
本当にどうして手に取ったんだろういやはやまったく。
確実に人格形成を狂わせたというかなんというか、
狂わせたというと響きが悪いですね。
ええと、
大きな……転機になりまし……た……?
何かすごい物に触れて、
確実に何かを失った。
なんだろう、あれ、なんか、大切なものだった気がするんだけど^^^^
やっとこさ、売る前に再読終了。ごちそうさまでした。


はてさて。
清涼院の中では、
えーっと、私そこそこ彼の著作を、すべてとは言わないまでも読んでいると思うんですが、
これが一番好きです。
多分それは一番最初に読んだからです。
インパクトぱねぇってことですね要は。
この境地にはたどり着きたくない。
でもそう思うと、このころのメフィスト賞は本当にチャレンジ精神に溢れていたというか。
いや、最近のを読んでないだけっちゃそうなんで、それは言いすぎました。
しかし、舞城王太郎テイストの作品が多くはないか。気のせいか。

話をジョーカーに戻します。

多分、初見さんはこの本の厚みでドン引きじゃあないかな……っていう……
測ろうとしたら定規が見つからなかったから諦めたっていう……
ページ数?780ページさ……上下二段組でな……
値段?1450円くらいさ……ハードカバーなんてもんじゃあない。
こいつはただの新書サイズだぜ……
 
自画自賛と言ったもん勝ちってのがよく似合う。
文章っていうのは書いてあることを読者がそのまま受け入れるしかないわけなので、
文に「絶世の美少年」って書いてあったらそいつは絶世の美少年だし、
「この部屋は密室だった」って言われたらその部屋は密室なんです。
まぁ、だいたい後で名探偵が謎を解いて、実は密室じゃないんだぜっていうのがお決まりのパターンなわけですが、
逆に言えば、名探偵が「実は密室じゃないんです」って言えば、
そこはもう密室じゃなくなるわけです。そういうもんなんです。多かれ少なかれ文章っていうのは。
で、その点で言えばこの本は、
絶世の美少年どころか、
「素顔を見ただけで、そのあまりの美しさに人が失神する美少年」
が出てきて、
「密室だけど人は壁をすり抜けて中に入れるんです」
って言うような、それくらいのぶっ飛び率な訳です。
人としての良識と常識をぶっ壊されたいのなら是非。
小学生の空想でもここまでぶっとべるかどうか。



“……だが、真の終幕はまだ先にある” 
| comments(0) | trackbacks(0) | 00:25 | category: 現代作家:さ行 |
# これで終わり
評価:
清涼院 流水
幻冬舎
---
(2000-10)
コメント:“「オレたちは、秘密を話すまでの『時間』を賭けるんだ―」”

評価:
清涼院 流水
幻冬舎
---
(2000-12)
コメント:“紛れもなく、その夜の最高潮。衝撃的なベット額。限界を超える臨界点!”

評価:
清涼院 流水
幻冬舎
---
(2001-02)
コメント:“「今後、242日間の君たちの行動次第で人類の1000年後が左右されるんだ。健闘を祈っているよ」”

JUGEMテーマ:小説全般

昨日に引きつづき、トップラン。
とりあえず、ランはこれで終わり。再読も完了。ごちそうさまでした。
………ランドについては、また次の機会に。


物語の体はむしろ前半に比べればとっている、かもしれないけれど

いやいやいや。

そういう問題じゃありません。


最後になって、まぁ、特に最終巻、
大風呂敷を一気に広げたよね。
広げたよね。
スケールがでかすぎるよね。

このスケールのでかさ、
しかもよりによって最終巻で、風呂敷を畳むのではなく広げる、という。
そしてそこについての感想を言っちゃうと、
あまりにもネタばれ、というか、
この本の魅力的な驚きがほぼ失われ、
まぁ、つまり、

かなりつまらなくなるので。



何も言えない……。
が、言わせていただきたい、ので。


今から下に書くことは、それくらいのネタばれだと思ってくださいね。
読んでから、なんでネタばれすんだよ!という苦情はうけつけません。



“宣言した者が勝ち。宣伝した者が勝ち。だから、いつまでも最高のままトップラン”(本文より)







これにて終了。以後ネタばれという名の叫び。




































えー、ということで、反転どうぞ




なんだよ徳川の埋蔵金オチってよぉぉぉぉぉぉぉ!!!!
世界規模で丸一年を保存、1000年後に伝えるとか、
そんな話、最終巻までに一片でも出てきたか?!否だね!!
それいきなりSFやないの!!
最初からそういう話で作るならともかく!!!
最後の最後に!持って来よったよ!!
なんの話じゃ!!!!!

もう、コズミックとかジョーカーが蘇るよね……。
あの記憶ね……。


真犯人は●●だ!
え、登場したことありませんけど、何か

みたいなその発想!!!
人類には早すぎる!!!


…………まぁ、こっちもそれを期待して読んでた節もあったので、
それはそれでいいんですけどね……。
 確実に、今までの作風を知らない人には、キョトンである。
抗議の電話かけられてもおかしくない……!!!


| comments(0) | trackbacks(0) | 02:26 | category: 現代作家:さ行 |
# 紙と鉛筆を用意しましょう
評価:
清涼院 流水
幻冬舎
---
(2000-04)
コメント:“マクドナルドがある国は、世界中に幾つある?”

評価:
清涼院 流水
幻冬舎
---
(2000-06)
コメント:“反論が出なければ双方が合意したこととなる”

評価:
清涼院 流水
幻冬舎
---
(2000-08)
コメント:“1万円札なる紙切れは1万円ぶんの働きをするが、1万円分ぶんの紙ではない。”

JUGEMテーマ:小説全般
 
本棚を整理中なう、です。咳がとまりません。
さてさて。清涼院氏。出てくる出てくる。懐かしくなって再読。読了。
ごちそうさまでした。



清涼院氏の評価には、その発想のでたらめさが
多分に含まれていることを先に言っておきます^^^^^^^^^


本当、異才で片付けていいのかこの人は。
評価のしようがない感じです。
小説かと思ってたのにいきなり絵画を出されたよー

くらいの突飛感。
何が起きているのかさっぱり。


小説の癖に小説じゃないので、
一般的な評価は下しにくいです。
ただ、当時の私は本当にその発想に心惹かれました。

あ、ありなんだ



と思って^^^^^^^^^^^^^^^



禁じ手も禁じ手。なんなんだと。
…………小説を求めるのなら、私は、おススメ、しません、よ。

でも、面白いです。
ある程度の無茶苦茶と、とんでもない破天荒を受容できるなら。
ある程度の破天荒と、とんでもない無茶苦茶かもしれない………。




内容の説明はするだけ無駄、かなぁ……。
ストーリィ性はありますが、それどころじゃない、という。
せいぜい3巻くらいからかなぁ……。話そうと思って話せるのは……。



とりあえず、私が言っていることの意味が判らない方は
読んでみて下さい。
賛否両論まっぷたつ、ただし割合は9:1!!

みたいな。



“『悪戯だと思う?』
『悪戯ーにしては、センス悪くないですか? かなり』
『悪すぎるよ。誘拐事件の身代金をローンで請求するなんてさ』”(本文より)








| comments(0) | trackbacks(0) | 04:24 | category: 現代作家:さ行 |